016153 ランダム
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僕等の世界

僕等の世界

プロローグ



辺りに広がるのは、血の海。鉄の臭い。
手や服、顔にまでベットリと相手の血を被って、俺を見てる。


「おかしいよ・・・」
「うん」
「アンタおかしいよ」
「うん」
「アンタ、おかしいよっ!!」
「・・・そうだね」


ソイツは笑った。
人を殺した人間とは思えない程、柔らかく、暖かく。



俺の知っていた世界は、
俺の離れた世界は、
酷く汚れてて、酷く難しい世界だった。

俺の知らない世界は、
俺の踏み入れた世界は、
酷く汚れてて、酷く簡単な世界・・・それでいて、酷く綺麗な世界だった。




「俺たちは家族だ」


「ハハッ・・・だから、人間は嫌いなんだョ」


「・・・お前に、俺たちと同じ道が歩めるのか?」


「ボクは家政婦じゃありません!!」


「俺も、狂ってるのかな・・・」


「お前がいつか俺たちを、裏切るんじゃないかと・・・」


「“拾った”の間違いデショ?」


「所詮、この世は生きたモン勝ちなんだよ」



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